生活習慣病〜胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因と予防、症状

胃潰瘍・十二指腸潰瘍は胃酸やペプシンによって自分の胃・十二指腸粘膜を消化し、胃壁がただれたり、くずれたりして潰瘍ができた状態のことです。胃潰瘍には急性と慢性があり、慢性胃潰瘍の原因はゲリコバクター・ピロリ菌の感染で、急性胃潰瘍はストレスや消炎鎮痛剤の服用、アルコールの飲みすぎから突発的に起こります。胃潰瘍は40歳〜50歳の人におおくみられます。

十二指腸潰瘍に多い原因は、ストレスなどで胃酸やペプシンなどの消化液が過剰に働いて起こるので、若い人に多く見られます。

胃潰瘍の原因となるピロリ菌

胃潰瘍の危険因子とされるピロリ菌ですが、現在中高年の7、8割の人がピロリ菌に感染していると言われています。感染している人すべてが胃潰瘍を発症するわけではありません。ピロリ菌に感染すると、まず胃炎になります。そして一部が進行して萎縮性胃炎、さらにその一部が慢性胃潰瘍胃がんになります。
ピロリ菌を持つ全ての人が胃炎を進行させるわけではありませんが、ピロリ菌によって胃潰瘍を発症するリスクは高く、ピロリ菌の陽性率は胃潰瘍で60〜80%、十二指腸潰瘍では90%以上だといわれ、ピロリ菌に感染してから慢性胃潰瘍を発症するまでには、数十年かかると考えられています。

急性胃潰瘍は正しい生活とストレス解消で治りますが、慢性胃潰瘍の再発防止にはピロリ菌の除去が必要です。2000年からピロリ菌の除菌治療に保険が適用されるようになりました。一般的な治療は1日2回、1週間程度、薬を服用します。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因と予防

ピロリ菌
慢性胃潰瘍の大きな原因となるピロリ菌は、日本人の約半数以上の人が感染しているといわれています。若い人ほど感染率が少なく、中高年の人では約70〜80%の人がピロリ菌に感染しています。
ピロリ菌は、幼少期に感染に飲み水や食べ物を介して経口感染するといわれていることから、戦後の衛生状態が悪い時代に生まれ育った50歳以上の人たちの感染率が高いと考えられています。
ピロリ菌に感染した人のうち、2〜3%の方は胃潰瘍・十二指腸潰瘍になります。潰瘍の原因は、ピロリ菌だけではありません。肉体的・精神的ストレスや体質、生活習慣などの複数の要因が重なって発症すると考えられます。
日本では、2000年11月より、ピロリ菌の除菌療法に保険が適用されるようになりました。
また、平成14年12月よりピロリ菌除菌治療のための3種類の薬が1日分ごとにパックされたものが登場しました。ピロリ菌の除菌に成功すると、何度も再発を繰り返していた潰瘍の再発を抑える、そして潰瘍が治った後も、再発予防のために薬を飲み続け無くてもよくなります。慢性胃潰瘍十二指腸潰瘍の人は一度専門医に相談してください。

肉体的・精神的ストレス
胃潰瘍・十二指腸潰瘍には、ストレスが深く関係しています。肉体的ストレスには、過労、手術、外傷、脳血管障害などがあります。精神的ストレスには、仕事や家庭の人間関係の悩みなどがありますが、ストレスによるアルコールの飲みすぎや喫煙量の増加、睡眠不足なども影響を及ぼしています。

喫煙、飲みすぎ
胃粘膜の血流の障害となり、アルコールは直接胃粘膜を刺激します。喫煙やアルコールの飲みすぎは、潰瘍の再発を促進させます。

規則正しい食事時間
食事は毎日3食、決まった時間にとりましょう。間食や就寝前の食事は胃酸分泌を促進させます。食べすぎも禁物です。食事の量が増えると、胃に負担がかかり、胃液の分泌が増します。ゆっくりよく噛んで、食後は30分ほど休憩時間をとりましょう。

刺激物は避けて、消化の良い食事をとる
セロリ、にら、にんにくなどの香りの強い野菜、コーヒー、紅茶などカフェインを含む飲み物、香辛料や刺激のある食品、酸味の強い果物などは、胃酸の分泌を促進させます。強いアルコール、炭酸飲料、熱いものや冷たいものも胃によくありません。
胃の修復のために動物性たんぱく質(牛乳、卵など)、植物性たんぱく質(豆腐など)な食品をとりましょう。消化の良い食事は、胃での停滞時間が短かいので、胃粘膜への刺激が少なくなります。食物繊維の多いものはよく煮てやわらかく調理してください。量を増やさず、栄養のバランスのとれた食事を心がけましょう。

薬剤の服用に注意する
胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因となる薬剤で最も多いのが痛み止め、解熱剤などの非ステロイド系消炎鎮痛剤です。他には総合感冒薬、ステロイド剤、抗生物質、抗がん剤などがあります。薬の服用には注意が必要です。医師の指示に従い、自己判断はやめましょう。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の症状

  • みぞおち部分、背中などの痛み。特に空腹時に痛む。
  • 吐き気、嘔吐、食欲不振。潰瘍から出血がある場合、血液が混じることがあります。
  • 圧痛。手で軽く押したときに感じる痛み。
  • 出血…吐血(血を吐いたり、吐いたものに血が混じること)、下血(便に血が混じったり、便がコールタールのように黒くなること)。胃潰瘍・十二指腸潰瘍から出血した場合は、ほとんどはみぞおち部分の痛みを伴いますが、無症状で突然出血する場合もあります。